鬼のエントリーが続いているので、鬼がらみで古文解説をひとつ。歌物語 伊勢物語から「芥川」芥、とは塵やごみのこと。それらが集まった川です。現存でどこに存在しているかも解っていない川がタイトルとなっているお話。何かが塵芥となってしまったお話です。伊勢物語は、平安初期の歌物語です。一つの段。お話に必ず歌が入っている物語。大部分のお話は、「男ありけり」で始まり、ある男性の一生を描いています。モデルは、平安期の色男。在原業平と言われていますが、全てが彼の行ったこと、というよりも、当時の平安貴族の理想図を固めたような姿が描かれています。そして、内容のほとんどは恋物語。恋愛ものです。男子は読んどくと、 ちょこっとホラーチックなこのお話。最初から突っ込みどころ満載です。身分が高い女性に求婚していたということは、少なくともこの男の身分も高かったはず。モデルの在原業平は帝の血をひいている貴公子です。次代の天皇にはなれないけれど、身分的には超高い。その男性が手に入らなさそうな女性って事は……まぁ、昨今流行りの不倫関係だったか、若しくは勝手に夫のいる女性に横恋慕していたか、政敵の娘だったか、婚約者がいたか、まぁ、そんな女性に求婚しまくってて成就しないから、「盗み出した」って……女性の立場からしてみたら、ちゃんとお断りしているのに何回も求婚の手紙をくれる男性に困ったな~と思ってたら、いきなり攫われた……って、で、連れ出したは良いけど、雷や雨も酷いから、途中で見つけた小屋で少し休もうと、女性を部屋の中に入れます。ここで、疑問が一つ。で、その次の日の朝。蔵の奥に入れた筈の女の姿が無い。お話では鬼に食われた事になっているのですが、鬼は良くこの男を見逃すよなぁ。普通、二人とも食べられちゃうんじゃ? とか、色々突っ込みどころ満載。そして、鬼ってさすがに人を丸のみ出来るほど、大きな口持ってないですよね。血痕だったり、十二単の布きれだったり、で、最後の男の行動もおかしい。って言うか、悔しがってるって何? 愛しい人が鬼に食われて死んだんだったら、普通悲しむのでは??いや、和歌では悲しみを歌っているけれど、恋人を失った悲しみと言うよりは、こんな悲しみを感じるぐらいだったら自分も儚く死にたいって言っているだけ。なんか色々突っ込みどころと言うか、謎が満載です。たま~にテストでそんなこと考える必要有るの? と言われそうなんですが、人間って無駄なこと覚えた方が記憶力が増大するという変な機能が脳には付いていまして。なので、無駄なこととは知りつつも、ちょっと推理してみたいと思います。愛しい恋人との夜ならば、むしろ一緒に蔵の中に入っているはずですよね。なのに、彼は蔵の外に居た。鬼がいたからという理由は却下です。だって、男は知らなかった。だったら、考えられますよね。そう。男が警戒していたのは、追手が迫ってこないかどうかが、凄く気がかりだった。だから、嵐の夜なのに、すぐ対処できるように蔵の前に座っていた。そして、女が鬼に食われたという描写ですが、もしも、この男がうっかりと寝ている隙に追手がやってきて、無事御姫様を連れ戻したとするのならば………翌朝、蔵の中はもぬけの殻ですよね。男が女性が死んだことに悲しんだのではなく、じだんだを踏んで悔しがったと言うのも、理解できます。寝ている間に連れ去られてしまったんだ。もう二度とあの人には逢えないんだと、悲しんで、「白玉か~」の歌を詠んだとするのならば、理解できる。さすがに、血みどろの血痕が生々しく残っている蔵の中で読んだと考えるには、あまりにも優美な内容ですものね。と言うことで、このお話は、高貴な姫君を誘拐し、連れ去って、長年の思いを遂げようとしていた不届きなたくらみが、姫君のボディガードたちにあえなく阻まれて、「失敗したか……」とため息を吐きながら歌を詠み、「鬼に食われてしまったのだと、思おう」と考えてこの物語になったのかなと。余談ですが、ここで平安女性の悲劇も一つ。雨露すら知らなかったこの女性。つまり、高貴な身分の女性は、ただひたすら大事に屋敷の奥に閉じ込められていて、草木をその目で見ることすらなかったという、エピソード。御姫様の世間知らず、と受け取るか、平安期の女性って平均寿命30代後半だものなぁ。座ってばっかで、毎日着ているものは20キロ近くの重さで、動かず、運動せず、日光も当たらずに、栄養過多な料理(平安期は太っている事が美人の代名詞)と、高カロリーな濁り酒を毎日飲んでいたのならば、そりゃ縮まるよなぁ……と分析をするか。そんなふうに考えると、古文って一気に読むのが面白くなりますよね。ではでは。ここまで読んで頂いて、ありがとうございました。 古典は「裏」を知ると面白い。このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。松村瞳/文章塾「文LABO」主宰。著書に「古典の裏」笠間書院。古典は「裏」を知ると数倍面白い。松村瞳/文章塾「文LABO」主宰。著書に「古典の裏」笠間書院。古典は「裏」を知ると数倍面白い。 あばらなる=ナリ活用の形容動詞「荒(あば)らなり」の連体形、荒れ果てているさま。隙間の多いさま。 ば=強調の係助詞、意味が「強調」なので訳す際は無視してよい。 胡籙(やなぐひ)=名詞、矢を入れて背中に負う武具 伊勢物語 芥川で、鬼ある所とも知らではあばらなる倉に係ると習いました。しかし... おいでよどうぶつの森で、ヘラクレスオオカブトの捕まえ方を、教えてください。 古文の 鳴り の 活用の種類ってなんですか? 古典の助動詞について質問です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・©2020 Weblio 昔、東の 五 (ご) 条 (じょう) に 大 (おお) 后 (きさい) の 宮 (みや) おはしましける 西 (にし) の 対 (たい) に、住む人ありけり。. となむ男に問ひける。行く先遠く、夜も更けにければ、鬼あるところとも知らで、神さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ、あばらなる蔵に、女をば奥におし入れて、男、弓・胡簶を負ひて、戸口にをり。はや夜も明けなむと思ひつつゐたりけるに、鬼はや一口に喰ひてけり。 あばらなりの意味。・形容動詞ナリ活用活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}①(粗末で)すきまが多い。出典伊勢物語 四「あばらなる板敷きに」[訳] (戸障子もなく)すきまの多い板張りの部屋に。Σ...- 古文辞書なら「Weblio古語辞典」 あばらなり さて、古文で「白玉」とは真珠のことを指します。 「玉」が宝石の意味を持つ言葉だったので、白い宝石=真珠という風につながります。 それにしても、歌の後の本文は必要なのでしょうか。 原作者とは別の誰かが補筆したという説もあります。

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